2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

正多面体群と有限回転群

・群とは何か 群とは,結合法則を満たす演算*1が元(要素)の間に定義された集合で,ただ一つの単位元をもち,どの元についても逆元がただ一つ存在するような集合である。元と元の順序付きペア一つについて演算の結果(積)が一つに決まり(演算は一意的),…

正多面体の対称性

・正多面体を作る 長女が折紙好きなので,ときどき一緒にやる。それで,昔自分も折紙で手裏剣や多面体っぽいものを作っていたのを思い出した。娘は動物とか好きでよくせがまれるが,数学好きとしてはもっと幾何学的なものを折りたくなる。妥協して飾り箱など…

男の子の名前

日本史を眺めると,人物の名前にはどうもお決まりのパターンがあるようだ。そして同じ人がいくつも名前をもっていて,いささかややこしい。実際どんな仕組みになっていたのだろう。…と思っていたら,偶然読んだ本,たしか高島俊男の「お言葉ですが…」に解説…

人名用漢字

早いものでうちの子はもう四歳と二歳だが,子供が生まれる前,名づけのためにいろいろ本を買ったり借りたりして,夫婦で何度も相談を重ねた。どの本も名づけに使える漢字のリストを掲げていて,「苺」など数年前に追加されたたくさんの人名用漢字も含め,い…

補遺

●参考文献 1.ロビン・ウィルソン 「四色問題」 2004 新潮社 訳者は茂木健一郎。ただ,あとがきでモギケン自身が述べているように,下訳は別の人が行なっている。数学者でもない彼が下訳をどのようにブラッシュアップしたのか(できたのか)は不明。とはい…

放電法,D可約性,C可約性

四色問題では,二〜四辺国は可約配置だが,五辺国は違った。四色問題における可約配置の不可避集合を初めて見つけたのはアッペルとハーケンだが,可約配置の不可避集合はただ一通り存在するのではない。現に可約配置の不可避集合は複数セット見つかっている…

五辺国は可約か?――ケンペによる四色問題「解決」

四色定理の証明は,五色定理とくらべて格段に難しい。四色問題に関する可約配置は当然すべて五色問題に関する可約配置である。しかし,逆は真でなく,五色問題の可約配置は必ずしも四色問題の可約配置ではない。五色問題では,二〜五辺国がいずれも可約配置…

五色定理――可約配置の不可避集合をつくる

四色定理が正しいのだから,それを弱めた主張「平面上のいかなる地図もたかだか五色で塗り分けられる」も,当然成り立つ。この五色定理の証明は比較的簡単だ。「可約配置」の「不可避集合」を作って証明するのは四色定理と同様である。 まず,準備としてある…

四色定理

最近数学に凝っていて,いろいろ読んでいる。もちろん専門の本ではなくて,素人向けの啓蒙書ばかりだが,とても勉強になる。今読んでるのは「数学ガール」という異色の数学本。高二の「僕」が同級下級の美少女たちとちょっと背伸びした数学を学んでいくとい…