黄金比

正十二面体の十二等分

・正十二面体の体積 稜の長さが1の正十二面体の体積を求めることを考える。どうすればいいか。 一番簡単なのは,正十二面体を12個の合同な正五角錐に分解して,その正五角錐の体積を12倍することだろう。正十二面体の中心と各稜を結ぶと,合同な正五角錐に1…

正十二面体と黄金比(その3:点心図から)

・正十二面体の点心直投影 正十二面体の対向する頂点の中心をつなぐ直線は,三回対称軸である。すなわち,この軸まわりに,360°/3=120°回転させると正十二面体は回転前と完全に一致する。よって,この軸に平行な光線で直投影をおこなうと,その投影図は三回…

正十二面体と黄金比(その2:稜心図から)

・正十二面体の稜心直投影 正十二面体の対向する稜の中心をつなぐ直線は,その稜に垂直で,二回対称軸である。すなわち,この軸周りに,360°/2=180°回転させると正十二面体は回転前と完全に一致する。よって,この軸に平行な光線で直投影をおこなうと,その…

正十二面体と黄金比(その1:面心図から)

・正十二面体の直投影 先月の記事で,黄金比と正五角形の関係について述べた。その正五角形からなる正多面体である正十二面体も,黄金比と密接な関係がある。今回から三回かけて,正十二面体の直投影を通して,正十二面体と黄金比の関係について触れてみたい…

ジタバグと正多面体

・直交三長方形の凸包 前回の記事で,中心で直交する3枚の長方形の頂点をつないで得られる多面体について触れた。凸多面体としては,一般には二十面体で,黄金長方形のときに正二十面体,長方形が正方形のときは立方八面体,長方形が線分に退化したときは正…

黄金長方形と正二十面体

・直交三長方形の凸包 三次元空間で,合同な長方形を三枚,中心を一致させて直交させることができる。このとき,長方形の長軸も互いに直交するようにする。 この図形自体は各面の縁が孤立しているので多面体ではない。しかし,これを枠としてまわりに面を貼…

黄金比と正五角形

正五角形の辺長と対角線長の比は黄金比である。いままで,対角線の長さの比が黄金比であるような黄金菱形多面体について述べてきたが,黄金比について詳しくは触れなかった。黄金比は約1.61803という値をもつ無理数である。非常に興味深い性質を備えている重…